173.ドモホルン・リンクル狂

2019/12/14

  熊本市に本社のある再春館製薬の若社長・西川氏が来訪しました。昨秋・今春・つい先日と3回続けてです。いくら私自身が熊本から車で南に1時間程の鹿児島県川内市(現在は薩摩川内市)の出身だからとはいえ、一年の間に遠来の人に三度もお会いするのは珍しいことです。
  日本のワイナリーの多くが輸入原料に頼っている現状に腹を立てて、この40年余ずっと「国内のワイン作りは殆んどが邪道だ」と声高かに言い続けて来たせいで、ワイン業界では余り私のことを好きな人は居ないと思います。ところがこの40代の青年は、訪ね来る日がいつも好天日だったせいでしょうか、私の処で庭を見たり、ぶどう畑を眺めながら、そして地下セラーを見学してはと、すっかり私のことを好いて呉れたようです。
  二回目にいらした今年の春は、老人にとっては発音の難しい商品名の化粧品一式をお土産に頂きました。生涯バンカラ系の生き方をして来た私ゆえ、化粧水・化粧品の類は無縁とばかりに、その頂き物は玄関の棚に数か月置き放しでした。ところがどうでしょう。この8月末に世界に名高き米国エスティ・ローダー傘下の、天然原料化粧品メーカー「アヴェダ・ジャパン」の副社長が私を訪ねて来ました。私が7年前まで経営していた新潟のカーブ・ドッチのスパ部門はこの会社と深くお付き合いをしていたからです。その彼に熊本の人からの貰い物のことを話すと、「落さん、再春館と我社(アヴェダ)はライバルです。でも正直言って、そのドモホルン・リンクルは原材料にとてもお金を掛けていて、効果は抜群です。」敵対同業者の褒めそやす商品に私の心は大きく動きました。じゃあ、とにかく顔に塗ってみようか。結果、ビックリです。2週間もしない内に、五つあった顔の大きなシミと両目尻の笑いジワが殆んど消えてしまいました。会う人会う人にとても若返ったと言われてニヤニヤしている毎日です。本当に20歳は若くなった気持ちなのです。使い切って追加注文もしましたので、今後この製品のファンを続けることでしょう。ドモホルン・リンクルという難しい発音もスラリと言えるようになりました。
  この冬、鹿児島の墓参りの時に熊本に本社を訪ねてお礼をと思っています。