46.外国でワイン作りを学ぶ
2015/08/19
私自身もそうですが、我が国にはワイン作りについて学ぶまともな所がない以上、必然そうしたい人はフランスやイタリア、ドイツ、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアに出掛けることになります。国内にはしっかりと教えられる人も居ないし、教える所もないからです。
幾人か、いや10名程そのように外国でワインの勉強をして帰って来た日本人を知っていますが、現在の日本国内の状況ではそんな人が就職口を得るのは非常に困難です。自分でぶどうを育て、ワインを作り、マーケティングにも多少関わる。そんな環境のワイナリー、ワイン会社が皆無といってよい程無いからです。じゃあ自分で創業するか。それもちょっと難しい。何故なら、そんな覚悟で外国に勉強に行った訳ではないからです。ぶどう畑も醸造所も、そして出来たらレストラン付きの売店も自分で作るとなると、3億4億円以上の資金調達を必要とします。
その時点で気が遠くなるのか、帰国後大体は他分野へ就職します。時代が早かったのでしょうか。いえ、この国のワイン作りの業界が出鱈目だ(った?)からです。この国の現状をよく踏まえていれば、そんな失望は味わわずに済んだのに、と悔やんでも後の祭りという感じの人は、この日本に少なからず存在していることでしょう。
気の利いた人、帰国する前に我が国の事情を察知した人はそのまま海外のワイン国に残って仕事に就くことでしょう。そんな人も私は知っています。
さて、どうすべきか。私の持論はこうです。卵が先か、鶏が先かの論法ですが、正統なワイン作り(ぶどう作りを含む)のスキルを持った人材を活用するには、そのような会社が蝟集するまともなワインランドを作らなければいけない。まともなワイン会社が次々と出来れば、そのためには、その地区に教育機関を創立し、当初は招聘した外国の教授陣に教えて貰い、10年後は生え抜きの日本人教授を内部から作り出せばよい。真剣な学校を作る以上、その卒業生が働ける所を多数作らなければならない。
こういったワインゾーン(ワインランド)を仕掛けなければ永遠に日本の現在の状況は改善されない。
私の思考はいつもこういう風に展開されます。とにかく始めましょう。