47.LEDのこと
2015/08/22
前出(No.45)の私の友人Hammel(ハンメル)君は、とても優雅な年金生活を送っています。日中は自宅から1000m程離れた1.5ha(約4500坪)のワインぶどう畑の世話。仕事をするというよりは、兎に角ワインぶどうに毎日触れていないと、生きている気がしないのだそうです。それ位この植物が大好き。勿論、それから作られたワインも大好き。
夕方からは、若い時のように毎晩ワインかビール(特に暑い日は)という訳にも行かず、身体を労わりつつも酒量を抑えるために、とパソコン三昧なのでしょう。よくメールを寄来します。前にも書きましたが、「現代のマルコ・ポーロ」的に毎年来日するものですから、向うに在ってはお返しにホットなドイツのニュースを、当方に届けるのが使命だと考えているようです。数あるニュースの中でも、この2年間に面白いと思ったものを2つ紹介しましょう。
ドイツ連邦共和国ではなのか、彼の住むバーデン・ビュルテンベルク州ではなのかは定かではありませんが、家庭での照明にはLEDの使用が義務付けられたとのこと。私自身LEDの大ファンで、我が家といわずワイナリー内部全体といわずLEDだらけです。価格は安い白熱球に較べると10数倍しますが、謳い文句によると寿命は長く消費電力も1/10以下とのこと。正直に言って、新しい物好き、合理性ゆえに選んでいますから、他の人に強要しようなんて考えもしませんでした。
ところがどうでしょう。彼ら(ドイツ)の論法では、電気エネルギーを原発に依存するのを止めたのだから、出来るところから節約しなければいけない、となるのです。元々電気と水道、そしてガス(家庭では殆んど使用していませんが)は極限まで節約する国民ですから、、、。かつて41年前の留学時、アパートで夜を徹して勉強したり読書していると、近くの人がインターホンをピンポーン。ドアから顔を出すと、「電気が勿体ないから消しなさい。朝早く起きて続けなさい」と丸きりの他人から言われる始末。お節介好きというか、自分に理があると確信している、というか。
LEDの活用も、ですから一種の国民運動だと理解すればよい、ということになります。メールで、「日本はまだ法律化されていないのか?」私の返事は、「うちらの国ではきっと法制化されないと思うよ。」相手から又返事のメールで、「でもおかしいね。LEDを発明したのは3人の日本人じゃなかった?」ここまでお節介だと、何やらそうしなくては、と思い始める私でした。