54.9回目のNapa滞在
2015/12/05
この9月8日~13日とカリフォルニアのナパに行って来ました。今回の目的はワイナリー開設に当たってのヴィジョン作りのため。近々開業する予定の人々が3グループ参加しました。
9月上旬のナパは1975年以来40年振りのこと。その40年前には現在ナパに植わっているカベルネ・ソーヴィニョンは殆んどなく、その代りに、何と生食用で超大房、しかも種無しのグリーンのぶどうであるトンプソン・シードレスが大量に潰され、搾られていました。当時西ドイツの学校できちんとしたヴィニフェラ種(ワイン専用品種)からのワイン作りに専念していた私としては、大いにガッカリしたのを覚えています。
時は移り、今や世界の銘醸地となったナパでは、もうそんなことはありません。収穫の早い順に、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、ピノ・ブラン、ピノ・シャルドネ、ピノ・グリと7月末から8月中旬にかけて採り、8月中下旬にはカベルネ・フラン、プチ・ヴェルド―、メルロー、カベルネ・ソーヴィニョンと収穫するのだそうです。そのような訳で9月10日頃畑に残っているのは殆んど遅摘み用のカベルネ・ソーヴィニョンだけ。日中の最高気温が36℃~8℃で、酸味が落ち過ぎて余り良いワインにはならないように感じられました。熱波のナパで夜のホテルの部屋では冷房が必要でしたから、畑のぶどうにとっても過酷な条件の年となったようです。
カベルネ族(ソーヴィニョン、フラン、メルロー、プチ・ヴェルド―、マルベックのことを私は勝手にこう呼んでます)の故郷ボルドー。この十年程行ってませんが、巷では「30年後にはボルドーも三流ワインの地になる」と噂されています。我が北海道だけでなく、世界のどの産地でも温暖化が進んでいるようです。スウェーデンにもワイナリーが数軒出現したとのことですから、将来シロクマさんがワインボトルを抱いているデザインのラヴェルが出て来るかも、ですね。